【安心】暗号資産取引で初心者がハマる「落とし穴」とその回避策
はじめに:暗号資産取引への第一歩と潜むリスク
近年、暗号資産(仮想通貨)への関心が高まり、取引を始めてみようとお考えの方も多いのではないでしょうか。しかし、「リスクが高い」「詐欺が怖い」といったニュースを見聞きし、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
暗号資産取引は、その仕組みや特性を正しく理解し、適切な対策を講じることで、リスクを管理しながら安全に取り組むことができます。
この「あんしん暗号資産ガイド」では、暗号資産取引をこれから始める初心者の皆様が、安心して一歩を踏み出せるよう、特に注意すべき「落とし穴」と、それを回避するための具体的な方法を解説します。
初心者が陥りがちな「落とし穴」とは?(失敗事例と背景)
暗号資産取引では、知識不足や準備不足から思わぬ失敗をしてしまうことがあります。ここでは、初心者が特に注意すべき代表的な「落とし穴」をいくつかご紹介します。
落とし穴1:知識がないまま、価格の変動に一喜一憂してしまう
暗号資産の価格は、さまざまな要因で大きく変動することがあります。しかし、その変動の背景にある技術やプロジェクトの内容、市場全体の動向などを理解しないまま、価格の上昇・下落のみに注目し、衝動的な取引を行ってしまうケースです。
- 失敗例: SNSで見かけた情報だけで特定の銘柄を慌てて購入したが、すぐに価格が下落してしまい、理由も分からず損失を出してしまった。
落とし穴2:セキュリティ対策を怠り、資産を盗まれてしまう
暗号資産はオンラインで管理されるため、サイバー攻撃や不正アクセスによる資産の盗難リスクが存在します。特に、セキュリティ意識が低いと、このリスクに直面しやすくなります。
- 失敗例: 取引所のログインパスワードを使い回していたり、二段階認証を設定していなかったために、第三者にアカウントへ不正にログインされ、暗号資産を送金されてしまった。
- 失敗例: 見慣れないメールに記載されたリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いた結果、個人情報やパスワードを抜き取られ、取引所アカウントを乗っ取られてしまった(フィッシング詐欺など)。
落とし穴3:甘い儲け話に騙されてしまう
「必ず儲かる」「〇〇すれば利益確定」といった、非現実的な利益を謳う詐欺的な勧誘に引っかかってしまうケースです。特に暗号資産や新しい技術に不慣れな初心者を狙った手口が多く存在します。
- 失敗例: 知人やSNSで知り合った人物から「未公開の新しい暗号資産で、すぐに価値が数倍になる」といった話を持ちかけられ、言われるがままにお金を支払ったが、実際には存在しないか、価値のないものだった。
落とし穴4:手数料を理解せずに、取引コストを余計に支払ってしまう
暗号資産の取引や入出金には手数料がかかります。取引所によって手数料体系は異なり、取引方法(販売所か取引所か)によっても大きく変わることがあります。手数料を意識しない取引は、利益を圧迫したり、損失を拡大させたりする可能性があります。
- 失敗例: 少額の取引を頻繁に繰り返していたら、気づかないうちに手数料が積み重なり、思っていたよりも手元に残る利益が少なかった、あるいは損失が大きかった。
落とし穴5:無理な資金で取引してしまう
暗号資産取引は価格変動リスクがあるため、投資した資金が大きく減ってしまう可能性があります。生活費や、近い将来使う予定のある資金など、失ってはいけないお金で取引を始めてしまうと、精神的な余裕がなくなり、冷静な判断ができなくなる恐れがあります。
- 失敗例: 無理をして多額の資金を投資した結果、価格が下落した際に精神的に耐えられず、大きな損失を出して慌てて売却してしまった。
落とし穴6:誤った情報や偏った情報を鵜呑みにしてしまう
インターネット上には暗号資産に関する様々な情報が溢れていますが、中には誤った情報や特定の意図を持った情報も含まれています。信頼できる情報源を見極める力がないと、間違った判断をしてしまう可能性があります。
- 失敗例: 信頼性の低いブログやSNSの情報だけを信じて取引を行い、期待した結果が得られなかった。
各「落とし穴」に対する具体的な回避策
上記の「落とし穴」を回避するために、初心者が実践すべき具体的な対策をご紹介します。
対策1:暗号資産の基礎知識とリスクをしっかり学ぶ
- 基本的な知識習得: 暗号資産がどのような技術(ブロックチェーンなど)で成り立っているのか、価格が変動する要因にはどのようなものがあるのか、といった基本的な知識を学ぶことから始めましょう。このサイト「あんしん暗号資産ガイド」でも様々な情報を提供しています。
- 長期的な視点: 短期的な価格変動に惑わされず、自分が投資する暗号資産の将来性や技術、プロジェクトの動向などを理解し、長期的な視点を持つことが大切です。
- 冷静な判断力: 市場のニュースやSNSの情報にすぐに反応するのではなく、一度立ち止まり、情報の信頼性を確認し、自分自身の判断基準を持つようにしましょう。
対策2:取引所のセキュリティ機能を最大限に活用する
- 二段階認証の設定: ログイン時や取引時に、パスワードだけでなくスマートフォンアプリなどを使った認証を要求する「二段階認証」は、不正ログイン対策の最も基本的かつ重要な方法です。必ず設定しましょう。
- 強固なパスワード: 推測されやすいパスワードは避け、英数字記号を組み合わせた長くて複雑なパスワードを設定し、他のサービスでの使い回しは絶対にやめましょう。
- 公式情報の確認: 取引所からのメールやSNSでの告知は、必ず公式サイトや公式アカウントから発信されているかを確認しましょう。不審なリンクや添付ファイルは絶対に開かないでください。
- ウォレットの基本理解: 取引所に預けた暗号資産だけでなく、自身で管理するウォレット(暗号資産を保管する場所)についても、その種類や基本的な使い方、リスク(秘密鍵の管理など)を理解しておくことが安全な管理に繋がります。(ウォレットに関する詳細は別途記事で解説しています)
対策3:非現実的な甘い儲け話には近づかない
- 「必ず儲かる」は詐欺のサイン: 暗号資産取引において、「必ず」「絶対に」儲かるという話は存在しません。そのような勧誘を受けた場合は、詐欺である可能性を強く疑ってください。
- 情報源の確認: 勧誘してきた相手がどのような人物か、その話の根拠は何なのか、信頼できる情報源(取引所の公式サイト、大手メディアなど)で確認できる情報なのかを冷静に判断しましょう。
- 個人情報・資金の提供に慎重に: 安易に個人情報を提供したり、言われるがままに資金を振り込んだりしないよう、十分に注意が必要です。
対策4:手数料体系を事前に確認する
- 取引所ごとの比較: 利用を検討している取引所の手数料(取引手数料、入出金手数料など)を事前に確認し、比較検討しましょう。
- 取引方法の理解: 「販売所」と「取引所」では手数料体系が異なります。自分の取引スタイルに合った手数料体系の取引所や取引方法を選ぶことがコスト管理に繋がります。(販売所と取引所の違いも別途記事で解説しています)
- コスト意識を持つ: 頻繁な短期売買は手数料が積み重なりやすいため、取引回数や取引量と手数料の関係を意識しながら取引を行いましょう。
対策5:余剰資金で取引を行う
- 無理のない範囲で: 暗号資産取引に充てる資金は、万が一すべて失っても生活に影響が出ない「余剰資金」にとどめましょう。
- 分散投資の検討: 一つの銘柄に集中投資するのではなく、複数の銘柄に分散投資することもリスク軽減の一つの方法です。
- 投資額の上限設定: 自分で投資できる上限額を決め、それを守るようにしましょう。
対策6:複数の信頼できる情報源から情報を得る
- 一次情報の重視: 取引所や暗号資産プロジェクトの公式サイト、公式発表など、信頼性の高い一次情報源を重視しましょう。
- 複数の情報源を参照: 特定のSNSやブログだけでなく、複数の大手ニュースサイトや分析サイトなどを参照し、情報の偏りをなくすように努めましょう。
- 批判的な視点: 得られた情報が正しいのか、どのような意図で発信されているのか、常に批判的な視点を持って情報を受け止めましょう。
対策7:取引所の特徴や取引方法の違いを理解する
- 販売所と取引所の違い: 販売所は取引所から直接購入・売却する形式で手続きは簡単ですが、価格にスプレッド(買値と売値の差)が含まれており、実質的な手数料が高くなる傾向があります。取引所はユーザー同士で取引する形式で、販売所よりコストを抑えられる場合がありますが、取引板の見方などを理解する必要があります。自身の目的や知識レベルに合わせて選びましょう。(詳細解説は別途記事をご覧ください)
落とし穴を避けるための「心構え」
これらの具体的な対策に加え、暗号資産取引に臨む上での心構えも非常に重要です。
- 「必ず儲かる」はありえないと認識する: 暗号資産取引に絶対はありません。冷静な視点を常に持ち続けることが大切です。
- 焦らない、欲張らない: 市場の急な変動に慌てて取引したり、一度の取引で大きな利益を得ようと無理なリスクを取ったりしないようにしましょう。
- 継続的に学ぶ姿勢を持つ: 暗号資産の世界は常に変化しています。新しい技術や市場の動向について、継続的に情報を収集し、学ぶ姿勢を持ち続けましょう。
- 困ったら取引所のサポートを利用する: 取引に関する不明点や不安があれば、一人で抱え込まず、利用している取引所のカスタマーサポートに相談しましょう。信頼できる国内取引所であれば、日本語でのサポートが受けられます。(取引所サポートの利用方法も別途記事で解説しています)
まとめ:リスクを理解し、安心・安全な取引へ
暗号資産取引は、その魅力とともにリスクも存在します。しかし、今回ご紹介したような初心者が陥りがちな「落とし穴」を事前に知り、それぞれの回避策を理解し、実践することで、リスクを管理しながら安全に取引を始めることが可能です。
焦らず、無理せず、まずは少額から始める、余剰資金のみを使う、信頼できる国内取引所を利用するといった基本的なステップを踏むことから始めましょう。
この情報が、皆様の安心・安全な暗号資産取引への第一歩となることを願っています。