【安心ガイド】暗号資産の分散投資入門|リスクを抑えるポートフォリオの考え方
暗号資産取引に興味をお持ちいただき、ありがとうございます。 「あんしん暗号資産ガイド」は、暗号資産取引を安全に始めたいと考える初心者の皆様をサポートするための情報を提供しています。
「暗号資産は価格の変動が大きいと聞くけれど、なんだか怖い」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。確かに暗号資産の価格は、株式や債券などと比べて大きく変動することがあります。この変動リスクを少しでも和らげ、安心して取引を続けるための一つの方法が「分散投資」です。
このページでは、暗号資産における分散投資の基本的な考え方と、初心者が無理なく始められるポートフォリオ(資産の組み合わせ)の組み方について解説いたします。
分散投資とは何か?
分散投資とは、文字通り「投資対象を分散させる」ことです。よく「卵を一つのカゴに盛るな」という格言で例えられます。これは、一つのカゴに全ての卵を盛ってしまうと、そのカゴを落としたときに全ての卵が割れてしまうリスクがあることを意味します。
これを投資に当てはめると、一つの資産や一つの銘柄だけに集中して投資すると、その資産や銘柄の価値が大きく下がった場合に、資産全体が大損害を受けるリスクが高くなる、ということです。
複数の異なる資産や銘柄に分けて投資することで、仮にそのうちの一つが値下がりしても、他の資産の値上がりで損失をカバーできる可能性があり、資産全体の値動きの幅を小さく抑える効果が期待できます。これが分散投資の基本的な考え方です。
暗号資産における分散投資の重要性
暗号資産市場は、伝統的な金融市場に比べて歴史が浅く、価格変動が大きい傾向にあります。また、さまざまな種類の暗号資産が存在し、それぞれ特徴やリスクが異なります。このような市場で資産を安全に守りながら投資を行うために、分散投資は特に重要であると考えられています。
暗号資産における分散投資には、主に以下のような方法が考えられます。
-
異なる種類の暗号資産に分散投資する: 暗号資産には、ビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)など、数千種類もの銘柄が存在します。それぞれの暗号資産は、技術的な特徴、用途、市場での位置づけなどが異なります。例えば、ビットコインは「デジタルゴールド」と呼ばれることがあり、イーサリアムは様々なアプリケーション基盤として利用されます。これらの異なる性質を持つ複数の暗号資産に分けて投資することで、特定銘柄の価格急落による影響を軽減できる可能性があります。ただし、初心者の方はまず、市場規模が大きく、比較的情報の多い主要な暗号資産から検討を始めるのが良いでしょう。
-
購入時期を分散させる(時間分散): 一度にまとまった資金を投資するのではなく、複数回に分けて、あるいは一定額を定期的に購入する方法です。これを「時間分散」と呼び、特に定期的に一定額を購入する方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれます。価格が高いときには少なく買い、安いときには多く買うことになるため、高値掴みのリスクを減らし、平均購入単価を安定させる効果が期待できます。
-
他の資産クラスと組み合わせて分散投資する: 暗号資産だけでなく、預貯金、株式、債券、投資信託など、他の種類の資産と組み合わせて保有することも、広い意味での分散投資です。暗号資産は比較的リスクが高い資産と考えられていますので、ご自身の資産全体の中で、暗号資産にどのくらいの割合を充てるかを慎重に検討することが大切です。
初心者のためのポートフォリオ構築の基本的な考え方
初めて暗号資産に投資する方が、どのように資産を組み合わせれば(ポートフォリオを組めば)良いか、その基本的な考え方をご紹介します。
-
ご自身の「リスク許容度」を知る: まず、ご自身がどのくらいの損失までなら許容できるか、という「リスク許容度」を把握しましょう。年齢、収入、家族構成、資産状況、投資経験などによって、リスク許容度は異なります。無理のない範囲で投資することが、長く安心して続けるための最も重要なポイントです。
-
無理のない資金から始める: 最初は、仮にその投資額がゼロになっても生活に大きな影響が出ないような、ごく少額から始めることを強くお勧めします。余剰資金の範囲で行うことが鉄則です。
-
主要な暗号資産から検討する: たくさんの種類の暗号資産がありますが、初心者の方はまずは市場規模が大きく、情報が比較的容易に入手できるビットコインやイーサリアムといった主要な銘柄から検討を始めるのが現実的です。これらの銘柄は、多くの取引所で取り扱いがあります。
-
「すべて暗号資産」にしない: 繰り返しになりますが、ご自身の資産全体の中で、暗号資産が占める割合を決めましょう。最初は資産全体の数パーセントといった低い割合から始め、慣れてきたら徐々に検討するというスタンスが良いかもしれません。
-
定期的な見直しを行う: 一度ポートフォリオを組んだら終わり、ではなく、定期的に(数ヶ月に一度など)見直すことが大切です。市場環境の変化やご自身の状況の変化に合わせて、ポートフォリオのバランスを調整することを検討しましょう。
分散投資の注意点とリスク
分散投資はリスクを軽減する有効な手段ですが、いくつかの注意点があります。
-
分散してもリスクはゼロにはならない: 分散投資はあくまでリスクを「軽減」するものであり、「ゼロ」にすることはできません。暗号資産市場全体が大きく下落するような局面では、分散していても損失が発生する可能性は十分にあります。
-
過度な分散は管理が難しくなる: あまりにも多くの種類の暗号資産に投資すると、それぞれの情報を追いかけたり、管理したりするのが難しくなります。特に初心者のうちは、理解できる範囲の少数の銘柄から始めるのが賢明です。
-
信頼できる情報源を選ぶ: どの暗号資産に投資するかを検討する際は、信頼できる取引所や情報サイトなど、正確な情報源に基づいて判断することが重要です。根拠のない噂や、過度に良い話(「絶対に儲かる」といった話)には十分注意が必要です。
まとめ
暗号資産取引における分散投資は、価格変動リスクを抑え、より安心して取引を続けるための有効な手段です。異なる種類の暗号資産に投資したり、購入時期を分散させたりすることで、リスク軽減効果が期待できます。
初心者の方は、まずご自身の無理のない範囲の資金で、理解しやすい主要な暗号資産から検討を始め、分散投資を取り入れることを考えてみてください。
分散投資はあくまでリスク管理の一つの方法であり、投資には常にリスクが伴います。この情報を参考に、ご自身の判断と責任において、安全な暗号資産取引を始めていただければ幸いです。