安心解説：販売所と取引所の違いを知って賢く暗号資産取引を始める方法
暗号資産取引の「販売所」と「取引所」とは？初心者が知っておくべき違い
暗号資産取引にご興味をお持ちの初心者の方にとって、「販売所」と「取引所」という言葉は少し confusing かもしれません。どちらも暗号資産を購入・売却できる場所のように見えますが、実は仕組みが大きく異なります。この違いを理解しておくことは、安心して取引を進める上で非常に重要です。
この記事では、暗号資産の「販売所」と「取引所」の仕組みや特徴、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説し、初心者の皆様がご自身のスタイルに合った選び方を知るためのお手伝いをいたします。
販売所とは？仕組みと特徴
まず、「販売所」についてご説明します。販売所は、暗号資産交換業者（取引所を運営している会社）がお客様に直接暗号資産を販売・購入する形式です。
スーパーマーケットでお店から商品を直接買うようなイメージに近いかもしれません。価格は暗号資産交換業者が提示し、お客様はその価格で購入または売却を行います。
販売所のメリット
- シンプルで分かりやすい: 提示された価格で「買う」「売る」のボタンを押すだけで取引が完了するため、操作が非常に簡単です。暗号資産取引の経験がない初心者の方でも直感的に利用しやすいでしょう。
- すぐに取引できる: 注文が即座に成立することがほとんどです。すぐに暗号資産を手に入れたい、あるいはすぐに売却したい場合に便利です。
- 銘柄によっては少額から購入可能: 多くの販売所では、数百円といった少額から暗号資産を購入できます。
販売所のデメリット
- 価格が不利になりやすい（スプレッド）: 販売所が提示する価格には、「スプレッド」が含まれています。スプレッドとは、買値と売値の差額のことです。販売所は、このスプレッドを利益としています。そのため、お客様が購入する価格は市場価格より少し高く、売却する価格は市場価格より少し低めに設定されているのが一般的です。
- 手数料が見えにくい: スプレッドという形で手数料相当分が含まれているため、別途取引手数料がかからない場合でも、実質的なコストが発生していることになります。
取引所とは？仕組みと特徴
次に、「取引所」についてご説明します。取引所は、暗号資産交換業者が提供する「ユーザー同士が暗号資産を取引するためのプラットフォーム」です。
フリーマーケットやオークションサイトのように、暗号資産を「買いたい人」と「売りたい人」が互いに希望する価格を提示し、条件が合えば取引が成立する仕組みです。
取引所のメリット
- 市場価格に近い価格で取引できる可能性: 多くのユーザーが参加して価格が形成されるため、一般的に販売所よりも市場価格に近い有利な価格で取引できる可能性が高まります。
- 多様な注文方法: 成行注文（現在の市場価格で即座に取引）だけでなく、指値注文（希望する価格を指定して取引）など、様々な注文方法を利用できます。これにより、より戦略的な取引が可能です。
- 取引手数料が低い場合が多い: スプレッドではなく、取引が成立した際に取引手数料が発生する形式が多く、その手数料率は販売所のスプレッドに比べて低い傾向があります。
取引所のデメリット
- 操作がやや複雑: 販売所に比べて画面表示や操作方法が複雑に感じられるかもしれません。注文方法の種類も多いため、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
- 希望価格で取引が成立しない場合がある: 買いたい価格で売ってくれる人がいない、あるいは売りたい価格で買ってくれる人がいない場合は、取引が成立しないことがあります。特に取引量の少ない銘柄では、取引が成立しにくいこともあります。
スプレッドとは？販売所で発生するコスト
先ほど販売所のデメリットとして挙げた「スプレッド」について、もう少し詳しく解説します。
スプレッドは、簡単に言うと 「暗号資産交換業者が提示する買値と売値の差額」 のことです。
例えば、ある時点でのビットコインの市場価格が1ビットコインあたり100万円だとします。 販売所では、 * お客様がビットコインを 買う 価格：100万2千円 * お客様がビットコインを 売る 価格：99万8千円
のように設定されている場合があります。この場合、買値と売値の差額は4千円です。これがスプレッドであり、実質的な取引コストとなります。お客様は買う時に市場価格より高く買い、売る時に市場価格より安く売ることになるため、この差額分が販売所の利益となります。
取引所では、ユーザー同士が直接取引するため、この大きなスプレッドは発生しません。代わりに、取引が成立した際に規定の取引手数料がかかります。
初心者にとって安心なのは？賢い選び方のポイント
販売所と取引所、それぞれに特徴があることがお分かりいただけたかと思います。どちらが初心者にとって「安心」かは、その方の取引の目的や慣れによって異なります。
こんな方には「販売所」がおすすめ
- とにかく簡単に始めたい: 操作のシンプルさを最優先したい方。
- まずは少額から試したい: 手軽に数千円程度から購入してみたい方。
- 頻繁に取引する予定がない: 一度買って長期保有を考えている方など、取引回数が少ない方。
- 価格の多少の不利より手軽さを優先したい: スプレッドによるコストよりも、手続きの簡単さを重視する方。
こんな方には「取引所」も検討の価値あり
- 少しでも有利な価格で取引したい: 市場価格に近い価格での売買を目指したい方。
- 様々な注文方法を学びたい: 指値注文などを利用して、より細かく取引条件を設定したい方。
- 頻繁に取引を行う予定がある: 取引回数が多いほど、取引手数料の差がコストに影響するため、手数料が低い取引所が有利になる可能性があります。
- 操作に慣れることに抵抗がない: 最初は少し複雑でも、慣れていけば問題ないという方。
多くの暗号資産交換業者では、販売所形式と取引所形式の両方のサービスを提供しています。最初は販売所で手軽に始め、慣れてきたら取引所形式も試してみるという使い分けも可能です。
ご自身の取引スタイルや目的に合わせて、どちらがより安心感を持って利用できるか検討してみてください。
まとめ：自分に合ったスタイルで安心してスタート
暗号資産取引の「販売所」と「取引所」は、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。
- 販売所: 簡単操作で手軽に始められるが、スプレッドというコストがかかる。
- 取引所: 市場価格に近い取引が可能で手数料も低い傾向があるが、操作はやや複雑。
どちらの形式を選ぶかは、お客様ご自身の取引経験、目的、リスクに対する考え方によって異なります。まずは少額から販売所で始めてみる、あるいは取引所形式も提供している業者で両方を試してみるなど、ご自身にとって最も安心できる方法で第一歩を踏み出してみてください。
暗号資産取引を安全に進めるためには、こうした基本的な仕組みを理解することが大切です。この記事が、皆様の安心・安全な暗号資産取引の一助となれば幸いです。