【初心者向け】これだけは設定!暗号資産取引「二段階認証」の安全なやり方
暗号資産取引を安全に始めるために知っておくべき「二段階認証」
暗号資産取引を始めたいけれど、セキュリティ面が不安だと感じている方もいらっしゃるかもしれません。大切な資産を安全に守るために、必ず設定しておきたい非常に重要な仕組みが「二段階認証」です。
この記事では、暗号資産取引における二段階認証の重要性と、初心者の方でも安心して設定できる具体的な手順について解説します。
二段階認証とは?なぜ暗号資産取引で必須なのか
二段階認証とは、インターネットサービスにログインする際に、IDとパスワードによる認証だけでなく、別の要素を使った認証を組み合わせることで、セキュリティを強化する仕組みです。
例えば、ネットバンキングにログインする際に、パスワード入力に加えて、スマートフォンに届いたワンタイムパスワードの入力が必要になることがあります。これが二段階認証の一例です。
なぜ暗号資産取引において二段階認証が必須なのでしょうか。それは、暗号資産はデジタル資産であり、一度盗まれてしまうと取り戻すことが極めて難しいためです。もしIDとパスワードが何らかの方法で漏洩してしまった場合、二段階認証を設定していなければ、第三者があなたの口座に簡単にログインし、資産を不正に送金できてしまう危険性があります。
二段階認証を設定することで、たとえパスワードが漏洩しても、もう一つの認証がない限りログインができないため、不正アクセスによる資産の盗難リスクを大幅に減らすことができるのです。
主な二段階認証の種類とそれぞれの特徴
暗号資産取引所で利用できる二段階認証には、いくつかの種類があります。主なものは以下の通りです。
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認証アプリ(TOTP方式):
- スマートフォンアプリ(Google AuthenticatorやAuthyなど)を利用して、一定時間(通常30秒)ごとに新しいワンタイムパスワードを生成する方式です。
- 特徴: SMSやメールに比べて第三者による傍受が難しく、最もセキュリティが高いとされています。インターネット接続がない状態でもコードを確認できます。
- 推奨度: 高い
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SMS認証:
- 登録した携帯電話番号のSMS(ショートメッセージサービス)にワンタイムパスワードが送信される方式です。
- 特徴: 設定が比較的簡単です。
- 推奨度: 中程度(SIMスワップなど、携帯電話会社のシステムを悪用した不正のリスクがゼロではないため)
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メール認証:
- 登録したメールアドレスにワンタイムパスワードが送信される方式です。
- 特徴: 特別なアプリは不要です。
- 推奨度: 低い(メールアカウント自体がハッキングされるリスクや、通信傍受のリスクがあるため、認証アプリに比べるとセキュリティレベルは劣ります)
多くの取引所では、セキュリティレベルが高い認証アプリによる二段階認証を推奨しています。可能であれば、認証アプリでの設定を行うことをお勧めします。
認証アプリを使った二段階認証の具体的な設定手順(一般的な流れ)
ここでは、最も推奨される認証アプリを使った二段階認証の一般的な設定手順を説明します。細かい手順は取引所によって異なりますので、必ず利用する取引所の公式サイトやヘルプページをご確認ください。
ステップ1:認証アプリのインストール
まず、お使いのスマートフォンに認証アプリをインストールします。代表的なアプリには「Google Authenticator」や「Authy」があります。アプリストアから無料でダウンロードできます。
ステップ2:取引所の設定画面へアクセス
利用している暗号資産取引所のウェブサイトまたはアプリにログインし、アカウント設定やセキュリティ設定のページへ進みます。二段階認証の設定項目を探してください。
ステップ3:二段階認証の設定開始
設定ページで「二段階認証を設定する」「Authenticatorアプリを利用する」といった項目を選択します。
取引所の画面に、QRコードと秘密鍵(手動入力用の文字列)が表示されます。このQRコードまたは秘密鍵を使って、先ほどインストールした認証アプリと取引所アカウントを連携させます。
【重要】 このQRコードや秘密鍵は、アカウントと認証アプリを結びつける非常に重要な情報です。第三者に見られたり、漏洩したりしないように厳重に注意してください。 スクリーンショットを撮ってクラウドストレージなどに保存するのは危険です。手書きでメモして金庫などに保管する方法が推奨されます。
ステップ4:認証アプリでの連携
認証アプリを開き、「アカウントを追加」や「+」ボタンなどをタップします。
- QRコードで追加する場合: 「QRコードをスキャン」を選択し、取引所画面に表示されているQRコードをスマートフォンのカメラで読み取ります。
- 手動で追加する場合: 「手動で入力」などを選択し、取引所画面に表示されている秘密鍵(文字列)と、任意のアカウント名(例:「〇〇取引所アカウント」)を入力します。
正しく連携できると、認証アプリにその取引所アカウント用のワンタイムパスワードが表示されるようになります。このパスワードは数十秒ごとに自動的に切り替わります。
ステップ5:設定の確認と完了
取引所の設定画面に戻り、認証アプリに表示されている現在のワンタイムパスワードを入力し、「確認」「設定完了」などのボタンを押します。
パスワードが正しく認証されれば、二段階認証の設定は完了です。これで、次回以降ログインする際や、重要な操作を行う際に、パスワード入力に加えて認証アプリで生成されたワンタイムパスワードの入力が求められるようになります。
二段階認証を設定する上での注意点
- バックアップコードの保管: 多くの認証アプリや取引所では、機種変更などで認証アプリが使えなくなった場合に備えて、リカバリーコードやバックアップコードが提供されます。これらのコードは非常に重要です。 スマートフォンとは別の安全な場所(紙にメモして保管するなど)に必ず保管してください。これがなければ、認証アプリが使えなくなった際にログインできなくなる可能性があります。
- すべての操作に適用: 可能な限り、ログイン時だけでなく、資産の送金や登録情報の変更など、セキュリティに関わる重要な操作すべてに対して二段階認証を有効に設定してください。
- フィッシング詐欺に注意: 二段階認証を設定していても、フィッシングサイトなどでパスワードとワンタイムパスワードの両方を同時に盗み取ろうとする詐欺には注意が必要です。ログインする際は、必ず正規の取引所のURLであることを確認してください。
まとめ:二段階認証はあなたの資産を守る砦
暗号資産取引における二段階認証は、あなたのデジタル資産を不正アクセスから守るための、最も基本的で効果的なセキュリティ対策の一つです。特に認証アプリを使った方式は推奨されており、その設定は初心者の方でも少しの手順で行うことができます。
安全に暗号資産取引を始めるためにも、口座開設が完了したら、まず二段階認証の設定を最優先で行いましょう。この小さな一歩が、将来の大きな安心に繋がります。
もし設定方法に不安がある場合は、利用している取引所のカスタマーサポートに遠慮なく問い合わせてみてください。