【安心】暗号資産取引を終える時の手続きと注意点|損しない・トラブルにならない方法
暗号資産取引を「終えたい」と思った時の手続きガイド
暗号資産取引を始めたものの、「しばらくお休みしたい」「一度全て日本円に戻したい」など、取引を終えたり休止したりしたいと考えることもあるかもしれません。
「取引を始める時」だけでなく、「取引を終える時」も、正しい手順と注意点を知っておくことは、大切な資産を守り、後々のトラブルを避けるために非常に重要です。
この記事では、暗号資産取引の初心者の方が、安全かつ安心して取引を終えるために知っておくべき手続きと注意点について、分かりやすく解説いたします。
取引を終える前に確認すること
暗号資産取引を終える、あるいは一時的に休止することを決めたら、まずは落ち着いて現在の状況を確認しましょう。
1. 保有している資産の種類と数量を確認する
取引所のマイページなどで、現在保有している暗号資産の種類(ビットコイン、イーサリアムなど)と、それぞれの数量、そして日本円の残高を確認してください。
2. 未決済の注文がないか確認する
買い注文や売り注文を出したまま、約定(注文が成立)せずに残っている「未決済注文」がないか確認しましょう。未決済注文が残っていると、意図しないタイミングで取引が成立してしまう可能性があります。必要に応じて、これらの注文はキャンセルしてください。
3. なぜ終えたいのか、状況を整理する
「利益が出たので確定したい」「損失が出ているが一度整理したい」「しばらく使う予定がない」「何となく不安になった」など、取引を終えたいと思った理由を整理してみましょう。これによって、保有資産を全て売却するのか、一部だけ売却するのか、といった次のステップの判断がしやすくなります。
4. 税金について考慮する
暗号資産の取引によって利益が出ている場合、確定申告が必要になる可能性があります。保有している暗号資産を売却して日本円にする際に利益が確定するため、税金が発生する可能性を考慮しておくことが重要です。
具体的な終了手続きの流れ
保有資産の確認や状況の整理ができたら、具体的な手続きに進みます。主な流れは以下の通りです。
- 保有する暗号資産を売却する
- 日本円を出金する
- 取引所アカウントをどうするか決める(休止または解約)
それぞれの手続きについて詳しく見ていきましょう。
ステップ1:保有する暗号資産を売却する
保有している暗号資産を日本円にしたい場合、取引所内で売却(日本円と交換)する手続きを行います。
- 売却方法の選択: 取引所には主に「販売所」と「取引所」という売買方法があります。初心者の場合は、提示された価格で簡単に売買できる「販売所」が分かりやすいかもしれません。ただし、「取引所」の方が手数料(取引コストに含まれるスプレッドなど)が割安な場合があります。各取引所の違いや特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。
- 売却時の価格変動に注意: 売却注文を出す際にも、暗号資産の価格は常に変動しています。想定していた価格と大きく異なってしまう可能性もありますので、売却するタイミングは慎重に判断する必要があります。一度に全て売却するのではなく、複数回に分けて売却することもリスク分散の一つの方法です。
ステップ2:日本円を出金する
暗号資産を売却して日本円になった残高を、ご自身の銀行口座へ移したい場合、取引所から日本円を出金する手続きを行います。
- 出金先の銀行口座情報を登録・確認する: 取引所の設定画面で、出金したい銀行口座情報(銀行名、支店名、口座種別、口座番号、名義人)を登録または再確認してください。情報に誤りがあると、出金が正常に行われなかったり、手続きに時間がかかったりする原因となります。
- 出金申請を行う: 出金額を指定して、出金申請を行います。出金には取引所が定めた手数料がかかる場合がほとんどです。また、最低出金額や1日の出金上限額などが定められていることもありますので、事前に確認しておきましょう。
- 出金完了の確認: 出金申請後、通常は数営業日で指定した銀行口座へ入金されます。取引所の出金履歴などでステータスを確認し、銀行口座への着金を必ず確認してください。
ステップ3:取引所アカウントをどうするか決める(休止または解約)
保有資産を全て売却し、日本円も全て出金したら、取引所のアカウントをそのままにしておくか、完全に解約するかを検討します。
- アカウントをそのままにしておく(休止): 将来的に再び取引をする可能性がある場合や、取引履歴などをすぐに確認できるようにしておきたい場合は、アカウントを解約せずにそのままにしておくことができます。ただし、この場合もセキュリティ対策は継続して行う必要があります。ログインパスワードや二段階認証の設定は、決して解除せず、厳重に管理してください。長期間ログインしない場合でも、定期的にログインして登録情報やセキュリティ設定に問題がないか確認することをおすすめします。
- アカウントを完全に解約する: 今後一切取引する予定がなく、アカウント情報そのものを削除したい場合は、取引所の定める手続きに従って解約することができます。解約手続きは取引所によって異なりますが、一般的にはアカウントに資産が残っていないこと、未決済注文がないことなどが条件となります。解約すると、過去の取引履歴などが閲覧できなくなる場合もありますので、税金計算に必要な履歴などは事前にダウンロードしておくことをおすすめします。解約前に、解約に関する取引所の規約をよく確認してください。
取引を終える際の重要な注意点
安全に、そして後々困らないように取引を終えるために、特に注意しておきたい点をまとめます。
1. 税金計算と確定申告の必要性
暗号資産の売却によって利益が出た場合、「雑所得」として所得税・住民税の課税対象となる可能性があります。年間の利益が一定額を超える場合(例:給与所得者で年間20万円を超える雑所得など)、確定申告が必要になります。
損失が出た場合でも、翌年以降の利益と相殺できる「繰越控除」を受けるためには、確定申告が必要な場合があります。取引を終えた年も、税金に関する情報をしっかりと確認し、必要に応じて税理士などの専門家に相談することを検討してください。取引履歴は税金計算に不可欠な情報ですので、アカウントを解約する場合でも、必ず保存しておきましょう。
2. 手数料の確認
売却時や日本円出金時には手数料が発生するのが一般的です。これらの手数料は取引所によって異なります。手続きを行う前に、どれくらいの手数料がかかるのかを確認し、手元に残る金額を把握しておくことが大切です。
3. 出金時の情報入力ミスに注意
銀行口座への出金を行う際、口座番号や名義などの情報を誤って入力してしまうと、正しく入金されません。最悪の場合、組み戻し手続き(誤って送金された資金を銀行に返還してもらう手続き)が必要になったり、資金が戻ってこなかったりするリスクもゼロではありません。出金申請を行う前に、入力した口座情報が正しいか、登録した名義と銀行口座の名義が一致しているかなどを、複数回確認するようにしましょう。
4. 詐欺や偽サイトへの警戒は継続する
暗号資産取引を終えたからといって、詐欺のリスクがなくなるわけではありません。取引所を装った不審なメールやSMS、SNSのメッセージなどに引き続き注意が必要です。
「アカウントの解約手続きが必要です」「〇〇万円の未出金残高があります」といった件名で偽サイトへ誘導し、ログイン情報や個人情報を盗もうとするフィッシング詐欺の可能性も考えられます。取引所からの重要な連絡は、公式サイトのお知らせや登録したメールアドレスに届くことが一般的です。不審な連絡が来た場合は、必ず取引所の公式サイトや正規のサポート窓口に自分で問い合わせて事実を確認するようにしてください。
5. ログイン情報と二段階認証の厳重管理を継続する
アカウントを解約せず休止する場合、または解約後も過去の履歴確認などでログインする可能性がある場合は、ログインパスワードや二段階認証の情報は厳重に管理し続ける必要があります。これらの情報が漏洩すると、不正ログインによって資産が流出するリスクがあります。
まとめ
暗号資産取引を始める際には様々な準備が必要ですが、安全に「終える」ためにも知っておくべき大切な手続きと注意点があります。
- 保有資産や未決済注文の確認
- 暗号資産の売却と日本円への出金手続き
- アカウントの休止または解約に関する判断と手続き
- 税金、手数料、出金ミス、詐欺への注意
これらのポイントをしっかりと理解し、一つ一つ丁寧に進めることで、大切な資産を安全に整理し、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
もし手続きの途中で不明な点があれば、利用している取引所のカスタマーサポートに遠慮なく問い合わせてみましょう。正しい知識と慎重な行動で、安心して暗号資産取引の区切りをつけることができます。