【安心】いよいよ暗号資産取引スタート!初心者が確認・設定すべき3つのポイント
はじめに:いよいよ取引開始!その前に確認したいこと
暗号資産取引の口座開設が完了し、「いよいよ取引を始めてみよう」とお考えのことと思います。新しい世界への第一歩を踏み出すのは期待とともに、少なからず不安も伴うかもしれません。「損をしたらどうしよう」「何か難しい操作があるのでは」「思わぬトラブルに巻き込まれないだろうか」といった疑問や懸念をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
特に暗号資産の世界では、価格変動のリスクに加え、セキュリティに関するリスクや詐欺なども残念ながら存在します。しかし、こうしたリスクを正しく理解し、事前に適切な準備と設定を行っておくことで、その多くを回避し、より安全に、そして安心して取引を始めることが可能です。
この記事では、口座開設を終え、まさにこれから取引を始めようとしている初心者の方向けに、取引をスタートする前に必ず確認・設定しておきたい3つの重要なポイントを解説します。これらのポイントを押さえることで、安心して暗号資産取引の第一歩を踏み出せるようになるでしょう。
ポイント1:セキュリティ設定を最終確認する
なぜセキュリティ対策が重要なのか
暗号資産取引において、セキュリティは最も重要な要素の一つです。取引所に預けている資産は、もし取引所のアカウントが不正アクセスされた場合、失われてしまう危険性があります。サイバー攻撃の手法は巧妙化しており、自身の資産を守るためには、取引所が提供するセキュリティ機能を最大限に活用し、自身でも対策を行う必要があります。
確認・設定すべき具体的な項目
口座開設時に設定した項目や、見落としがちな項目を含め、以下の点を最終確認しましょう。
(1) 二段階認証の設定状況
二段階認証は、ログイン時に通常のパスワードに加え、スマートフォンアプリやSMSで発行される一時的なコードなど、もう一つの認証を要求する仕組みです。これにより、万が一パスワードが漏洩しても、第三者による不正ログインを防ぐ確率を大幅に高めることができます。
- 確認: 確実に二段階認証が設定されているか、設定方法は自身にとって安全かつ利便性の高いものになっているかを確認してください。推奨は認証アプリ(Google Authenticatorなど)を利用した方法です。
- 設定: もし未設定であれば、必ず設定してください。設定手順は各取引所のヘルプページなどで詳しく確認できます。
(2) 登録情報(メールアドレス、電話番号など)
登録しているメールアドレスや電話番号は、ログインや取引時の通知、パスワードリセットなどに使用される重要な情報です。これらの情報が古かったり、第三者に推測されやすいものであったりするとリスクが高まります。
- 確認: 現在利用しており、安全性が確保されている(他のサービスとのパスワード使い回しをしていないメールアドレスなど)情報が登録されているか確認してください。
- 設定: 変更が必要な場合は、正確な情報に更新してください。
(3) ログイン履歴の確認
多くの取引所では、過去のログイン履歴を確認できる機能を提供しています。これにより、覚えのない日時や場所からのログインがないかチェックできます。
- 確認: 取引所の管理画面などで、定期的にログイン履歴を確認する習慣をつけましょう。不審な履歴があれば、すぐに取引所に連絡し、パスワード変更やアカウントロックなどの対応を取ってください。
(4) 通知・アラート設定
取引所によっては、ログイン時や資産の移動があった場合などに、登録したメールアドレスやアプリに通知を送る機能があります。
- 設定: これらの通知機能を有効にしておくことで、自身の知らないところでアカウントに動きがあった際に、すぐに気づくことができます。
さらに安全性を高めるために
取引所アカウントだけでなく、取引に使用するPCやスマートフォンのセキュリティ対策も重要です。OSやソフトウェアを常に最新の状態に保ち、信頼できるセキュリティソフトを導入することを検討してください。また、不審なメールやリンクは安易に開かない、公共のWi-Fiで取引所には接続しないなど、基本的なインターネット利用時の注意点も守りましょう。
ポイント2:安全な資金管理ルールを設定する
なぜ資金管理ルールが必要なのか
暗号資産の価格は大きく変動することがあります。短期間に大きく値上がりすることもあれば、反対に大きく値下がりすることもあります。このような価格変動リスクに対して、事前に自身の資金管理に関するルールを決めておくことは、想定外の損失を防ぎ、冷静な判断を保つために非常に重要です。
具体的に決めておくべきこと
以下の点を明確にしておきましょう。
(1) 投資に回せる余剰資金の確認
生活費など、近い将来使う予定のある資金を投資に充てることは避けるべきです。失っても日常生活に大きな影響が出ない範囲の「余剰資金」で投資を行うのが鉄則です。
- 確認: まずは、ご自身の家計状況を確認し、投資に回せる金額がいくらなのかを正確に把握してください。
(2) 最初の投資額の上限設定
最初の取引では、いきなり大きな金額を投資するのではなく、少額から始めることを強く推奨します。これにより、取引所の使い方や価格変動に慣れながら、リスクを限定することができます。
- 設定: 初回に投資する金額の上限を具体的に決めておきましょう。「〇円まで」と明確にすることで、感情的な判断による衝動買いなどを防ぐ効果もあります。
(3) 損切りルールの設定
「損切り」とは、購入した暗号資産の価格が予想に反して下落した場合に、それ以上の損失拡大を防ぐために売却することです。あらかじめ「〇%値下がりしたら売却する」などのルールを決めておくことで、損失を限定し、感情的な判断でずるずると損失を広げてしまう事態を防ぐことができます。
- 設定: 投資を始める前に、保有する銘柄ごと、あるいは全体の資産に対して、どの程度まで損失を許容できるかを決め、具体的な損切りラインを設定しておきましょう。
初心者におすすめの資金管理の考え方
最初は「失っても大丈夫な少額」から始め、取引に慣れることを最優先に考えましょう。価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことも大切です。また、一度にまとまった金額を投資するのではなく、定期的に一定額ずつ購入する「積立投資」は、高値掴みのリスクを抑え、感情に左右されずに続けやすい方法として初心者におすすめです。(積立投資については、別途詳細な記事を参考にしてください。)
ポイント3:最初の取引方法を理解し確認する
なぜ取引方法の理解が必要なのか
暗号資産取引にはいくつか方法があり、それぞれ特徴や注意点が異なります。仕組みを理解しないまま取引を行うと、意図しない価格で約定してしまったり、手数料を多く支払ってしまったりする可能性があります。
確認すべき基本的な項目
取引を始める前に、利用する取引所の基本的な使い方と、注文方法について確認しておきましょう。
(1) 利用する取引所の種類(販売所・取引所)
多くの暗号資産交換業者では、「販売所」と「取引所」という二種類のサービスを提供しています。
- 販売所: 暗号資産交換業者から直接、暗号資産を購入・売却する方法です。提示された価格で簡単に取引できますが、スプレッド(買値と売値の差額)が比較的大きい傾向があります。手軽さを重視する初心者向けです。
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取引所: ユーザー同士が希望する価格で売買を行う市場です。板(取引板)を見て注文を出し、条件が合致すれば取引が成立します。販売所よりもスプレッドは小さい傾向がありますが、希望する価格で必ずしも取引が成立するわけではありません。
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確認: ご自身が利用しようとしているサービスが「販売所」なのか「取引所」なのかを理解し、それぞれの特徴を把握しておきましょう。最初のうちは、シンプルで分かりやすい販売所から試してみるのも良いかもしれません。
(2) 注文方法の種類(成行注文・指値注文)
取引所で取引する場合、主に以下の二種類の注文方法があります。
- 成行注文: 価格を指定せず、「現在の市場価格で、いますぐ買いたい(売りたい)」という注文方法です。すぐに約定しやすい反面、予想外の価格で成立する可能性もあります。
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指値注文: 「〇〇円になったら買いたい(売りたい)」と、希望する価格を指定する注文方法です。希望通りの価格で取引できますが、指定した価格に到達しないと約定しない(取引が成立しない)ことがあります。
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確認: これらの注文方法の違いを理解し、それぞれのメリット・デメリットを把握しておきましょう。最初は、まずは少額で成行注文を試してみる、あるいは指値注文で希望価格をしっかり指定するなど、ご自身の戦略に合わせて使い分ける練習が必要です。
(3) 手数料体系の確認
取引時には、取引手数料、入出金手数料など、さまざまな手数料が発生する場合があります。これらの手数料は、取引所の種類(販売所か取引所か)、利用するサービス、金額などによって異なります。
- 確認: 利用する取引所のウェブサイトやヘルプページで、どのような手数料がかかるのか、いくらなのかを事前に確認しておきましょう。手数料を把握しておくことで、コストを抑えた取引を心がけることができます。
(4) 最初の銘柄選びのヒント
初めて購入する暗号資産は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、市場規模が大きく、広く認知されている主要な銘柄から始めることをおすすめします。これらの銘柄は情報が入手しやすく、比較的流動性が高いため、初心者でも扱いやすい傾向があります。
- 確認: 最初は、どのような銘柄を取引したいかを考え、その銘柄について基本的な情報を集めてみましょう。価格の変動要因や、どのようなプロジェクトなのかなど、簡単な情報でも知っておくと、より安心して取引に臨めます。(銘柄選びについては、別途詳細な記事を参考にしてください。)
慣れるためのステップ
いきなりまとまった取引をするのが不安な場合は、まず販売所で最小単位の暗号資産を購入してみる、取引所のデモトレード機能があればそれで練習してみるなど、少額・短期間から試してみるのも良い方法です。実際に操作してみることで、画面の見方や注文方法がより具体的に理解できるようになります。(デモトレードについては、別途詳細な記事を参考にしてください。)
まとめ:安心して第一歩を踏み出すために
暗号資産取引を安全に始めるためには、口座開設後の「最初の取引」に臨む前に、いくつかの重要な確認と準備が必要です。
- セキュリティ設定の最終確認: 二段階認証をはじめとする各種セキュリティ機能を確実に設定・確認し、不正アクセスから資産を守る体制を整えましょう。
- 安全な資金管理ルールの設定: 余剰資金で投資すること、最初の投資額を決めること、損切りのルールを決めることなど、リスクをコントロールするための自分なりのルールを設定しましょう。
- 最初の取引方法の理解と確認: 販売所と取引所の違い、成行注文と指値注文の違いなどを理解し、手数料体系を確認するなど、取引所の基本的な使い方を把握しましょう。
これらのポイントを確認・設定することで、暗号資産取引の潜在的なリスクを軽減し、より安心して取引の第一歩を踏み出すことができるはずです。焦らず、ご自身のペースで、少しずつ取引に慣れていくことを心がけてください。「あんしん暗号資産ガイド」では、あなたの安全な取引をサポートするための情報を今後もお届けしてまいります。