あんしん暗号資産ガイド - 【安心ガイド】初めての暗号資産送金・受金

【安心ガイド】初めての暗号資産送金・受金｜失敗しないための手順と注意点

Tags: 暗号資産, 送金, 受金, 初心者, セキュリティ, リスク対策, 安心

はじめに

暗号資産取引を始められた皆さん、こんにちは。「あんしん暗号資産ガイド」編集部です。

暗号資産取引に慣れてくると、「持っている暗号資産を他の取引所に送りたい」「知り合いから暗号資産を受け取りたい」といった場面が出てくることがあります。このような「送金（送る）」や「受金（受け取る）」といった操作は、暗号資産取引の基本的な機能の一つです。

しかし、この送金・受金は、銀行振込とは異なり、一度間違えると取り戻すことが非常に難しいという性質があります。そのため、「アドレスを間違えて送金してしまわないか」「手数料はいくらかかるのか」「どうすれば安全に行えるのか」といった不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、暗号資産取引初心者の方に向けて、送金・受金を安全かつ確実に行うための具体的な手順と、知っておくべきリスク、そしてそれらに対する具体的な対策を分かりやすく解説します。この記事を読んで、安心して暗号資産の送金・受金ができるようになりましょう。

暗号資産の送金・受金とは？

暗号資産の送金・受金は、文字通り、ある場所から別の場所へ暗号資産を移動させる操作です。

送金: ご自身の持っている暗号資産を、他の誰かのアドレスや、別の取引所のアドレスへ送る操作です。
受金: 他の誰かや別の取引所から、ご自身のアドレスへ暗号資産を受け取る操作です。

これらの操作を行う際には、「アドレス」と「ネットワーク（チェーン）」という非常に重要な要素があります。

アドレス: 暗号資産を受け取る場所を示す識別子です。銀行口座番号のようなものだと考えてください。英数字の長い羅列で表示されることが多いです。
ネットワーク（チェーン）: 暗号資産の種類によって、その取引や送金・受金が記録される基盤となる技術やブロックチェーンのことです。例えば、ビットコイン（BTC）ならBitcoinネットワーク、イーサリアム（ETH）ならEthereumネットワーク（ERC20）、バイナンスコイン（BNB）ならBinance Smart Chain（BEP20）など、様々なネットワークが存在します。

このアドレスとネットワークが、送金・受金を成功させるための鍵となります。

安全な送金を行うための手順と注意点

暗号資産を安全に送金するためには、以下の手順と注意点をしっかりと確認することが大切です。

送金先のアドレスとネットワークを正確に確認する
- 最重要ポイントです。 送金先（相手の取引所やウォレットなど）から提供されるアドレスと、利用すべきネットワークの指定を正確に確認してください。
- アドレスは手入力せず、必ずコピー＆ペースト（コピペ）機能を利用しましょう。コピペは入力ミスを防ぐ最も簡単な方法です。スマートフォンの場合は、表示されたQRコードを読み取るのも安全な方法です。
- 指定されたネットワーク名を必ず確認してください。例えば、送金先が「Ethereumネットワーク（ERC20）」を指定しているのに、誤って「Binance Smart Chain（BEP20）」を選択して送金してしまうと、資産を失う可能性が非常に高いです。
- 一部の暗号資産（XRP、XEMなど）では、アドレスに加えて「宛先タグ」や「メモ」といった識別子が必要になる場合があります。これも送金先から指定されたものを正確に入力してください。これがないと、送金した暗号資産が送金先のアカウントに反映されないことがあります。
送金数量を入力する
- 送金したい数量を入力します。この時、取引所によっては最低送金数量が定められている場合がありますので確認が必要です。
送金手数料を確認する
- 暗号資産の送金には、ネットワーク手数料（ガス代などと呼ばれます）がかかります。この手数料は、利用するネットワークやその時のネットワークの混雑状況によって変動します。
- 取引所が徴収する送金手数料と、ネットワークに支払う手数料（ガス代）があることを理解しておきましょう。これらの合計が、最終的に差し引かれる金額になります。
- 手数料が高すぎる場合は、ネットワークの混雑が解消されるまで待つことも検討できます。
送金内容を最終確認する
- 送金ボタンを押す前に、以下の項目を必ず複数回確認してください。
  - 送金先アドレスに間違いはないか（特に先頭と末尾の数文字）
  - 選択したネットワークは正しいか
  - 送金数量は正しいか
  - 宛先タグ/メモは正しく入力されているか（必要な場合）
  - 差し引かれる手数料は許容範囲か
- 特に、アドレスは文字列の一部をコピペしたつもりでも、悪意のあるマルウェアによってクリップボードの内容が改ざんされる「アドレスロンダリング」といった詐欺も存在します。コピペした後も、必ず送金先で確認したアドレスと一致しているかを肉眼でも確認しましょう。
二段階認証を行う
- 多くの取引所では、送金時に二段階認証が求められます。これは、万が一パスワードが漏洩しても、不正な送金を防ぐための重要なセキュリティ対策です。必ず設定し、指示に従って認証コードを入力してください。
テスト送金を検討する（特に初めて送金する場合や大額を送金する場合）
- 初めて送金するアドレスやネットワークの場合、または比較的大額の暗号資産を送金する場合は、まず少額でテスト送金を行うことを強く推奨します。少額で問題なく着金することを確認してから、改めて残りの本命の金額を送金することで、リスクを大幅に減らすことができます。
送金完了まで待つ
- 送金手続きを終えても、すぐに送金が完了するわけではありません。ネットワーク上で取引が承認されるまでに時間がかかります。ネットワークの混雑具合によって、数分で完了することもあれば、数十分、場合によってはそれ以上の時間がかかることもあります。
- 送金状況は、取引所の送金履歴画面や、ブロックチェーンエクスプローラー（ブロックチェーン上の取引履歴を検索・確認できるウェブサイト）で確認できます。取引所の画面に表示されるTXID（トランザクションID）を使ってエクスプローラーで検索すると、より詳細な状況を確認できます。

安全な受金を行うための手順と注意点

暗号資産を安全に受け取るためには、以下の手順と注意点を確認しましょう。

受金アドレスとネットワークを確認し、送金元に伝える
- ご自身の取引所やウォレットアプリから、受け取りたい暗号資産の「受金アドレス」を確認します。
- この時、その暗号資産がどのネットワークに対応しているのか、また、どのネットワークで受け取りたいのかを確認します。
- 送金元に対して、正確な受金アドレスと、利用してほしいネットワーク名を明確に伝えてください。送金元が誤ったアドレスやネットワークで送金してしまうと、資産を失うことになります。
- 送金と同様、一部の暗号資産ではアドレスに加えて「宛先タグ」や「メモ」が必要な場合があります。必要な場合は、これもセットで正確に伝えてください。
着金を確認する
- 送金元が送金手続きを完了したら、ご自身の取引所やウォレットに着金したかを確認します。
- 着金には送金と同様に時間がかかります。取引所の履歴画面などを定期的に確認しましょう。
- 送金元からTXIDを受け取った場合は、ブロックチェーンエクスプローラーで自分で確認することも可能です。
意図しない受金に注意する
- 知らない相手から突然暗号資産が送られてくることがあります。これは「ダスト攻撃」と呼ばれる、少額の暗号資産を送金することでウォレットのアクティビティを追跡しようとする行為や、詐欺の一種である可能性があります。
- 基本的には、意図しない送金があった場合でも、触らずに放置しておくのが安全です。安易にその暗号資産を動かそうとすると、かえってリスクを招く可能性があります。

送金・受金における主なリスクと対策のまとめ

暗号資産の送金・受金には、以下のようなリスクが伴います。それぞれの対策を再確認しましょう。

安全に行うための心構え

安全に暗号資産の送金・受金を行う上で、最も大切なのは「焦らないこと」と「確認を怠らないこと」です。

焦らない: 暗号資産の価格は常に変動していますが、送金・受金は落ち着いて、一つ一つのステップを丁寧に踏むことが重要です。急いで行うとミスにつながりやすくなります。
確認を怠らない: アドレス、ネットワーク、数量、手数料など、確認すべき項目を必ず複数回確認してください。特にアドレスやネットワークの間違いは致命的です。
不明な点は確認する: やり方が分からない、表示がおかしい、といった場合は、安易に進めず、利用している取引所のサポートセンターに問い合わせるなどして確認しましょう。
信頼できる情報源を利用する: 送金先のアドレスやネットワーク情報は、必ず信頼できる公式サイトやアプリ内で確認してください。SNSや見慣れないウェブサイトの情報だけを鵜呑みにしないようにしましょう。

まとめ

暗号資産の送金・受金は、正しく行えば非常に便利な機能です。しかし、その仕組み上、一度のミスが大きな損失につながるリスクも伴います。

この記事で解説したように、送金先アドレスとネットワークの正確な確認、手数料の理解、そして複数回のチェックとテスト送金といった対策を講じることで、これらのリスクを大幅に減らすことができます。

初めて送金・受金を行う際は特に慎重に行い、慣れてきても確認を怠らないようにしましょう。「あんしん暗号資産ガイド」は、皆さんが安全に暗号資産を活用するためのお手伝いができれば幸いです。

今後も、安全な取引のための様々な情報を提供していきますので、ぜひ参考にしてください。